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失われた彩色

大分間があきましたが(色々なものから)とりあえず今回は再掲載+αで物語のほうを進めます。

もう2年も前のものですが、今の絵と比べても大差ないですねははは。
まずは先に、差分とかまとめたのでこちらからどうぞ。
各ポーズの生身、石化を追加しています。
http://www1.axfc.net/uploader/H/so/153736
パス:arlestone
↓差分サンプル
samplearle.jpg


それでは、以下雑文です
あなたは今、屋敷の地下をエルコに案内され歩いている。
地下ではあるが、照明が各所に設置されているため廊下は明るい。
石像達を置いているであろう部屋は、屋敷外観からは想像もできないほど多数存在している。

これまでに紹介された石像達は軽く百を超えるだろうか。
表情、服装、ポーズも様々で、見ていて飽きが来ない。
何をされたかも気付かず固まっている者、武器を構えたまま石化した者、
なにかをみて驚いた表情のまま佇んでいる者、走り出した瞬間を永遠の姿にされた者、
恍惚とした表情で半裸で固まっている者、顔を歪めたまま石にされた者等々・・・
それに加え、エルコが毎回丁寧に語ってくれるので、より一層石像達に対する思いも深くなる。

案内は部屋を順番に回っているわけではない。
おそらくはエルコのお気に入り、または思いつきで案内しているのではないかと
いうくらい規則性がないように見えた。
一人で歩くと迷ってしまいそうなのでエルコの後をおとなしく付いていく。

しばらくして、エルコが足を止める。
「着いたわ、ここよ」
「この部屋はちょっと特別なの」
そう言うと、他の部屋のよりも大きめの扉をゆっくり開き、中へ入るように促してくる。
arleroom.jpg


部屋の照明は暗く、目が慣れるのに少し時間を要した。
その部屋の真ん中には台のようなものがひとつ置いてあり、
そして台座に載せられた十数体の石像が壁に沿って飾られている。
こうしてぐるりと囲んで飾られてるのも良いな、と思いながらよくよく見ていると、
ふとあることに気が付いてしまった。
この石像達はポーズこそ少しづつ違うものの、皆同じ服装で、そして皆同じ顔だった。
(これは一体・・・!双子?姉妹?他人の空似?それにしては数が多すぎる・・・)

「気が付いたようね。ちょっと不思議な光景でしょう?」
エルコが話しかけてくる。「特別」とはこのことだったのか。

「これね、全部同一人物なのよ。偽物とか複製とかじゃなく、全部本物、本人なの」

これまでにこちらの常識を覆すようなことばかりしてきているであろうエルコの仕業なら
もはや何が起こってもおかしくはないが、今回はどうも何を言ってるのかわからない。
全部本人とはどういうことなのか。一人の人間が複数存在するとは何か矛盾してはいないか。

「話せば長くなるんだけど・・・」
「簡単に言うとね、この石像達はパラレルワールドから連れてきたの」
「この世界とよく似ているけど、微妙に異なる世界のことよ」
「その世界は可能性の数だけ無数にあるのだけど・・・話が逸れるからこの辺にして」

あなたは驚きを隠せない。
(パラレルワールド!?そんなの夢物語だと思っていたのに、まさか本当にあるなんて!!)

「それで、その微妙に異なる世界から、石化したタイミングが微妙に異なる彼女達を集めてきたのよ」
「結構根気が必要だったけど、がんばった甲斐はあったわね」
「見て、この眺め!すごく見応えがあるでしょう!」

あなたは、彼女は自分をからかっているのかとも思ったが、
彼女の熱弁ぶりを見るに、どうも嘘のようには思えない。
それに今までの彼女の能力を見ても、異世界へ行き来が可能でもおかしくない気もした。
そんな悩むあなたをよそに、続けてエルコは部屋の真ん中にある台について語りだす。

「そしてこの装置なんだけど、石化までの過程を再生出来る装置なのよ」
「なんとセリフ付き!おまけで彼女の心境も反映できる優れもので・・・あっ」

エルコは急に言葉を切り、そして照れ笑いしながら再び口を開ける。

「ごめんなさい、そういえばまだ彼女の名前教えてなかったわね」
「彼女はアルル・ナジャといって、魔導師の卵で」
「道中コカトリスに遭遇して、石にされちゃったの」
「その過程はこの通りよ」

そう言って目の前の装置についているボタンの一つを押すと、
石化していない生身のアルルが目前に現れる。
本物!?と思ったがどうやら立体映写機らしい。
一体どんな原理なのか、360度どこから見ても本物のようだ。
20120227arle01.jpg 20120227arle02.jpg 20120227arle03.jpg 20120227arle04.jpg
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arlestonepre.gif

アルルが完全に石になったところで再生が止まる。
再生とはいえ、石化していく様を目の当たりにして興奮が覚めやらない。。
石像だけではなく、まさかこうして石化までの経緯を見ることができるなんて!!

「どうだった?私は完全石化した状態もすごく好きなんだけど」
「こういった石化までの過程がすごく重要だと思うの」
「ほら、どういう心境で石になっていったのか、石にされてる時の反応とか」
「石化方法も様々ならその反応も様々で、見てて飽きないでしょ?」
「こうして、その過程を再生しながら感想を語り合うのが私のささやかな願いよ」
「・・・ありがとう、いつも話相手になってくれて」

まさかのお礼を言われてしまい、あなたは戸惑う。
とんでもない、こんな数々のすごい体験をさせてもらって、お礼を言いたいのはこちらだというのに。
あなたもお礼を言う、エルコは微笑んで返してくる。
そしていつもの石化談義に花を咲かす。
話相手がいるということは実に楽しく、嬉しいという事を再認識したのだった。
今回はいつも以上に熱のこもった会話が繰り広げられるだろう。
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コメント

No title

要望に応えてくださってありがとうございました!!
しっかりお持ち帰りさせていただきました。ありがとうございます!

No title

固め絵の描き方を教えて下さい。

Re: No title

>ミツルギさん
いえいえ、こちらも準備しつつも全然進んでいないところに
リクエストされたものですから、私も気合入れ直しが出来て助かりました、
こちらこそありがとうございました。

>固め絵練習中さん
うーん、描き方といいましても、特別なことしてるつもりはないです。
普通に絵を描くものの延長線ですよ、ですからまずは絵を描く練習を繰り返すのがいいかと思います。
あれこれ模索しているうちに自分にあった描き方というのも身についてくるのではないでしょうか。
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